よくあるご質問

A.ほとんどのお母さんたちは、赤ちゃんを母乳で育てたいと思っています。それは、母乳育児が、栄養面や免疫などの効果に加えて、お母さんと赤ちゃんの「きずな」を深いものにする効果をもたらしてくれるからです。赤ちゃんにとってはミルクをあげるより大きなメリットがあるのです。でも、出産してすぐに、水道の栓をひねったように、母乳がたくさん出て赤ちゃんが満足してくれるわけではありません。母乳分泌が始まるまでの出産後3日間ほどは赤ちゃんの「ぐずり」や「泣き」で寝る間もなく授乳しなければならず、お母さんは大変疲れてしまいます。この苦労は報われるのは常ですが、一方で軌道に乗るのに時間がかかるお母さんもいらっしゃいます。このようなお母さんには医療者の立場からの援助が必要となるでしょう。  母乳育児支援は、一人でも多くのお母さんがそのお母さんとお子さんなりの母乳育児を確立して継続できるように、妊娠中、出産のための入院中、そして退院後も、場合によっては赤ちゃんが1歳以上になっても、いろいろなアドバイス、援助、手技、ときにはお薬を通して、お母さんを支えるようにすることです。これが、ひいては、赤ちゃんの健やかな成長や発達につながっていきます。
A.病院を受診した時、「薬を飲んでいる時は、授乳を中断してください」と医師・薬剤師に伝えられ、心配になったのですね。現在、お薬の説明書にもそのように記載されているので、そのように伝えられるのも全くの間違いではありません。
確かに母乳中に薬は分泌されます。ですがその量や赤ちゃんへの影響は、薬によって様々であり、その説明書の記載も必ずしも科学的根拠に基づいたものではありません。海外ではすぐに授乳中止とするのではなく、各々の薬の特徴を調べた上で、お母さんに情報を提供しており、不必要な断乳を避けるようにしています。
現在、授乳と薬の両立ができる薬は約8割あると言われています。その中には、「授乳は中止することはないが気を付けること」、という薬も含まれています。そのような薬の場合は、小児科医を始めとした医療従事者に相談しながら決定することをお勧めします。 また、国立成育医療研究センターホームページの妊娠と薬相談センター「ママのためのお薬情報」(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html)には、授乳中に安心な薬が表となって掲載されており、誰でも閲覧できます。ぜひご活用ください。
現在、母乳の利点を踏まえ、日本でも厚労省がお薬の説明書の改訂作業を行っています。今後は少しずつ、医師や薬剤師の授乳に対する説明も変わっていくことが期待されます。
A.授乳を続けていても妊娠・出産は可能であることが多いです。授乳に伴って上昇する「プロラクチン」というホルモンは一般的に排卵を抑制するとされていますが、授乳中でも月経が再開して妊娠する方も多くいらっしゃいます。ただしそれは、その人その人の体質によるところが大きいです。 ご家庭の事情などで妊娠を急いでいる場合や、不妊治療の兼ね合いで授乳をやめるよう言われるケースもあります。主治医の先生とご相談なさってみてください。
A.断乳することを決めた場合、急な断乳は乳腺炎などのトラブルを起こしてしまうことがあります。トラブルを防ぎながら授乳を終わらせていくためには、2週間に1回を目安に授乳の回数を減らしていく、という方法があります。お子さんとはたくさん遊んだりして、授乳の回数は減ってもママが離れてしまうわけではないことを伝えるようにしましょう。また母乳を飲まなくなる分、水分や食べ物を欲しがる量が増えることがあります。様子を見ながら適宜追加してあげてください。 離乳食が完了していない時期の断乳の場合は、ミルクを追加することが必要になるかもしれません。与える量や方法などについて困った場合は、地域の開業助産師や保健センターの育児支援の窓口などにご相談なさってみてはいかがでしょうか。
A. UNICEFF/ WHO1)では「母親が種々の食品を充分に食べれば、必要なたんぱく質、ビタミンとミネラルがとれます。母親は母乳育児をしているときも、特別な食べ物を食べたり、特定の食べ物を避ける必要はありません」2)と言っています。また、「たくさんの種類の食品がとれなかったり、1回位食事が食べられなかったりしても、母乳産生は減りません」「母乳育児中の水分は、のどの渇きに応じてとるべきで、必要以上にたくさん飲んでも母乳産生は増えることはありません」とも言っています。 もう少し具体的なお話をしていきましょう。授乳中のお母さんの必要なエネルギーは、妊娠前の食事に+350Kcal/日に設定されています3)。短期間であれば、それ以下でも母乳の出や、赤ちゃんの発育に影響はないと言われています。また、赤ちゃんのアレルギー予防の為に、授乳中のお母さんが食事制限(卵、大豆製品、乳製品等のたんぱく質制限)をする事は効果が証明されていず、奨励されていません4)。一方で、厳格な菜食主義(乳製品、卵も食べない)では、母乳中のビタミンB12欠乏を起こす事が知られているため、ビタミンB12の補充が勧められています。 このように母乳のために良い食べ物も悪い食べ物もなく、授乳中でも普段と変わらずバランスの取れた食事を心掛けましょう。お手持ちの母子健康手帳に掲載されている「妊娠中と産後の食事の目安」を参考にしてみましょう。 言葉・参考文献 1)UNICEFF/ WHO:国連児童基金/世界保健機関 2)UNICEFF/ WHO(著)、BFHI2009翻訳編集委員会(訳)(2009)   UNICEFF/ WHO赤ちゃんとお母さんにやさしい母乳育児支援ガイド~ベーシックコース「母乳育児成功のための10カ条」の実践 P283-284、医学書院 3)厚生労働省算定「日本人のための食事摂取基準(2010年版)」 4)AMED研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2017」 ・NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(著)「母乳育児支援スタンダード 第2版」(2015) P401-407 母乳育児中の母親の食事/乳質、山本よしこ、医学書院
A.答えを先に言えばお酒を楽しみながら母乳育児も楽しめます。但し、いくら飲んでも大丈夫という訳ではありません。これまでの文献には以下のように記載されています(2012年周産期医学vol.12増刊号)。 まず、飲んだお酒のアルコールは飲酒後30~60分で母乳内に出現します。お母さんの体重の0.5g/㎏内の量であれば2~2.5時間で母乳から消失するのでアルコール0.5g/㎏の量であれば許容範囲とされています。でも飲み過ぎればそうはいきません。 では0.5g/㎏とはどの位の量でしょうか。計算上は体重50kgであればアルコール量25g、60kgであれば30gという計算になります。 お酒の種類別に見れば25g、30gとはどの位の量になるか計算すると、 ① ビールは5.5%=5.5g/100mLですので25gで450mL、30gで550mL。 ② ワインは13.5%=13.5g/100mLなので25gで185mL、30gで220mL。 ③ 日本酒は15%=15g/100mLなので、25gで170mL、30gで200mLという計算になり ます。 ちなみに欧米ではアルコール10gを1 drink、20gを2 drinkとして1~2drinkが授乳中の飲酒量の目安とされています(図参照)。 これ以上の量の飲酒量は母乳分泌が悪くなるという理由から推奨されていません。勿論飲み過ぎた段階での授乳は赤ちゃんが急性アルコール中毒になる可能性もあり、禁忌です。 尚、オーストラリア国立保健医療研究会は次のようなまとまった声明を2010年に出しています。 1. 授乳期間中は飲酒をしないのが最も安全な策である。 2. 特に母乳栄養が確立されるまでの生後1カ月の間は禁酒するべきである。 3. その後に飲酒する場合は 1) 一日の飲酒量は2 drink(日本の1単位)以内にとどめる。 2) 授乳直後に飲酒し、飲酒後2時間以上たってから授乳する ま、ほどほどに楽しむのはいいですよ、というところでしょうか。 Q.コーヒーはどうでしょうか? A.コーヒーに限らず、紅茶、緑茶、コーラや栄養ドリンクにもカフェインが含まれています。従ってコーヒーや紅茶についてはカフェイン量が母乳に与える影響を考えることになります。 カフェインの覚醒作用や興奮作用により、赤ちゃんの不眠、不機嫌、いらいらなどを生じます。アルコールと違ってカフェインの濃さは同じコーヒーや紅茶でも淹れ方で異なり、量の決定は難しくなります(表参照)。 許容量は米国ではコーヒーで5杯くらい、ヨーロッパでは3杯くらいとされていますが、一方でその程度では赤ちゃんの症状に差が無かったという報告もあります。いずれにせよ2-3杯程度とするか、カフェインレスのコーヒー、紅茶にすることが望ましいです。 尚、コーヒー、紅茶、緑茶にはタンニンが含まれており、タンニンは鉄の吸収を阻害するため、母子ともに鉄剤を服用中にはこれらの飲用は控えた方がいいです。 *表や図に関しては「会員様向けコンテンツ」にてご覧いただけます。
A.むし歯に悩まされず、母乳育児を楽しむ方法はあります。このごろは長期授乳が推奨されていますので、3 歳4歳まで授乳を続けることも珍しくありません。しかし歯科や保健センターの健診に行くと、いまだに1歳で断乳を勧められることがあります。長期授乳はお子さんの歯並びや噛み合わせに良いだけでなく、全身の感染症や様々な病気の発症や重症化を防いでくれること、お母さんの乳がんや卵巣がん、大腿骨骨折を減らしてくれるな ど、母子双方の人生の長い時期まで良い影響がたくさんあることが報告されています。 授乳していてもむし歯にさせないような口腔ケアを心がけましょう。
A.歯が生え始めたら磨きはじめましょう。前歯だけならガーゼでも、歯ブラシでも結構です。前から数えて4番 目の臼歯(噛む面のある歯)が生え始めたら歯ブラシが必要です。こどもは自分では満足に歯を磨けませんので、幼稚園までは大人が主体の歯磨きが必要です。しかし手首の運動が成熟してくるまでは充分に歯を磨けません。遠近感のある絵が描けるようになるまではせめて永久歯だけでも大人が補助してあげましょう。それが小学校高学年です 。
A.むし歯は唾液の少ない夜に進行しますので、夕食後に磨きましょう。1日以上たった成熟した歯垢が歯を溶かします 。24時間に1回は確実に歯を磨きましょう。また、食べ物やジュースなど糖分が入ったものをしょっちゅう口に入れられる状態にしておくと、むし歯になりやすくなるので、だらだら食べ続けないようにしたり、食後には水やお茶を飲ませて常に口の中に食べかすがないようにしましょう。
A.むし歯になりやすいところから磨きましょう。最初に上の前歯の前後ろ。次に上の奥歯の頬っぺた側(そのまま噛む面と内側も磨きましょう)。3番目は下の奥歯の舌側です(その流れで噛む面と外側も磨きましょう)。最後に下の前歯を磨きましょう。最初にここから歯から生えてくるので、ついついここから始めがちですが、ここはむし歯になりにくいところです。こどもの仕上げ磨きはすぐにタイムアップしますから効率よく磨きましょう!(会員専用ページ内の「おっぱいっことお母さんの歯の健康」の 本に写真があります) 仕上げ磨きはプロレスみたいなものです。泣かせずに磨くうまい方法などありません。愛情をもって 羽交い絞めにしてがしがし磨いてあげてください。 しかしどうしてもむし歯になってしまうことはあります。泣き叫ぶ乳児でも嫌がらずにむし歯の治療をして、口腔ケアについて教えてくれる歯科医を探しましょう。
A.
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